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生態・行動

クマの年間活動パターン
季節ごとの行動変化と出没リスクカレンダー

更新日:2026年5月 / カテゴリ:生態・行動

クマは「冬眠する動物」として知られていますが、冬眠以外の時期の行動は季節によって大きく変化します。春の冬眠明けから秋の過食期、そして再び冬眠に入るまでの間、クマの活動強度・行動範囲・人里への接近リスクは季節によって異なります。

農業・登山・アウトドア・農村居住など、クマとの接触リスクがある活動をする方にとって、「いつが最もリスクが高いか」を理解することは効果的な対策につながります。本稿では、ツキノワグマを中心に、クマの年間活動パターンを季節別に解説します。

なお、ヒグマ(北海道)も基本的な季節パターンはツキノワグマと類似していますが、活動開始時期や終了時期が若干異なる場合があります。

年間リスクカレンダー

1月

2月

3月

4月

5月

6月

7月

8月

9月

10月

11月

12月

最高リスク(秋・過食期)
高リスク(冬眠明け・秋冬移行期)
中リスク(夏・春繁殖期)
低リスク(冬眠期)

季節別・行動パターンと対策のポイント

12月〜2月(冬)冬眠期
活動:

ツキノワグマは樹洞や岩穴で冬眠。ヒグマも同様。ただし暖冬や個体によっては冬眠が浅く、早期に目覚める場合がある。この時期に出産・哺育を行う。

出没リスク

低(通常は出没しない)

この時期の注意点

暖冬の年は早期に冬眠を中断する個体がいるため、1月でも出没情報がある地域では注意が必要

3月〜4月(春・冬眠明け)冬眠明け・空腹期
活動:中〜高

冬眠から目覚めた直後は体重が大幅に低下しており、食料を求めて積極的に移動する。草本類・フキノトウ・タケノコの新芽などを採食。

出没リスク

中〜高(空腹で活発)

この時期の注意点

春の山菜採りのシーズンと重なる。早朝・夕方の山林での山菜採り・農作業は特に注意が必要

5月〜6月(春〜初夏)繁殖期・食料探索
活動:

オスがメスを求めて広範囲を移動する繁殖期。行動範囲が拡大し、人里への接近リスクが高まる。タケノコ・草本類の採食が継続。

出没リスク

中〜高(行動範囲拡大)

この時期の注意点

繁殖期のオスは通常より攻撃的になる傾向がある。タケノコ採りのシーズンとも重なるため、竹林周辺は特に注意

7月〜8月(夏)夏期採食
活動:

比較的落ち着く時期だが食料探索は継続。高山帯のハイマツの実・コケモモ・ブルーベリー類を採食。登山道沿いの出没が増える時期。

出没リスク

中(登山シーズンと重なる)

この時期の注意点

夏山登山・テント泊のシーズン。高山帯・亜高山帯でクマと遭遇する事例が報告されている

9月〜11月(秋・過食期)冬眠前過食期(Hyperphagia)
活動:最高

冬眠前に体重を30〜50%増やすために昼夜問わず採食行動が活発化。ドングリ・クリ・ブナの実が主食。里山・農地・果樹園への接近が急増。出没件数・被害件数ともに年間最多の時期。

出没リスク

最高(年間で最も危険な時期)

この時期の注意点

農作業・山菜採り・登山のすべてで最高レベルの注意が必要。ドングリ凶作年は特に里山・農村部への接近が増加する

11月中旬〜12月(初冬)冬眠移行期
活動:中〜低

採食活動が徐々に低下し、冬眠場所を探して移動。まだ活動している個体が多く、里山での出没も継続する。

出没リスク

中(まだ活動中の個体あり)

この時期の注意点

「もう冬眠したはず」という思い込みが危険。気温が高い年は11月末まで活発に活動する個体がいる

秋の「過食期(Hyperphagia)」を深く理解する

クマの行動パターンで特に注意が必要なのが、冬眠前の過食期(英語でHyperphagia:高食欲状態)です。この時期はクマが1日あたり20,000kcal以上を摂取することもあるとされており、通常の食料探索をはるかに超えた採食行動が見られます。

過食期の特徴(9〜11月)

  • 昼夜を問わず採食行動が継続(通常は薄明薄暮型だが夜間も活発に移動)
  • 行動範囲が通常の2〜3倍に拡大することがある
  • 食料さえあれば人を恐れる傾向が薄れる個体がいる
  • ドングリ凶作年は農地・果樹園・ゴミ置き場への依存度が高まる
  • 秋田・岩手などでは10月の被害件数が他の月の3〜5倍になる年もある

環境省の被害統計でも、2025年度の月別データでは10月が89人と突出して多く、この時期がいかに高リスクかを数字が示しています。農業・山菜採り・登山のいずれの活動でも、10月前後は最高レベルの注意と対策が求められます。

季節別の対策重点ポイント

時期対策の重点
3〜4月(冬眠明け)山菜採り・農作業前の出没情報確認。単独行動の回避。早朝・夕方の山林立入に注意
5〜6月(繁殖期)行動範囲拡大に注意。竹林・河川沿いのタケノコ採りに要注意。声出し・熊鈴の徹底
7〜8月(夏山)登山道沿いの出没情報確認。テント設営時の食料管理。早朝・夕方の行動に注意
9〜11月(過食期)全シーン最高警戒。農地・果樹園への事前忌避対策。ゴミ管理の徹底。電気柵の活用。単独外出の回避
11〜12月(冬眠移行期)「もう冬眠した」という思い込みを避ける。暖冬年は活動継続個体に注意

秋の過食期前に:エリア散布型忌避対策

出没リスクが最も高まる9〜11月の前に、農地・果樹園・ゴミ置き場周辺にエリア散布型忌避スプレーを施しておくことで、クマの接近抑制が期待できます。KUMANUKEは植物由来成分を配合した事前散布型の製品です。

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